きいちご日誌

チームきいちごのメンバーによるブログです

コロナ禍でのお産

こんにちは!チームきいちごです。

一度は落ち着いてきたのかな…と思ったコロナ禍ですが、また感染者数が全国的に増えたニュースを見ながら、いつになったら気兼ねなく友達と会えるのかな…お出かけできるのかな…と思う日々です。

基本のマスクと手洗いを「当たり前」にする事でだいぶ変わると昨今話に出ていますが、夏場はマスクをつけるのも辛かったですよね。

 

このコロナ禍で、様々な事が「今までと違う」ようになりました。感染拡大を抑えるため、感染しないさせないために、どうしても変えざるを得ない事があるのは事実です。

今回、たまたまこのコロナ禍の中出産された方(Aさん)にお話しが聞けたのでそれをまとめました。

 

Aさんは、まだコロナが何となくテレビで話題になり始めた頃に妊娠が判りました。その頃はまだ「海外でコロナが発生している」という話ばかりだったので、日本に来ないといいな…という思いだったそうです。

ですがその後、日本でもコロナの発生が確認され、それから毎日のようにテレビではコロナの話が取り沙汰されるようになりました。

 

きいちご---Aさんは経産婦さんという事ですが、コロナという事での不安はありましたか?

Aさん---ありました。ニュースを見てもコロナの事がまだよくわかっていなくて、重症化するしないも曖昧な情報ばかりで…。妊婦は重症化した報告は無いというニュースと、不妊治療は一時的にお勧めしないみたいなニュースが入ってきていて、それって妊娠してるのは大丈夫なの?もし私がうつったら、母子感染はするの?って不安でいっぱいでした。

きいちご---外出を控えたりも?

Aさん---勿論しました。でも上の子は保育園に行ってるし、夫も電車通勤で不特定多数と毎日すれ違ってましたし…私も仕事をしていたので気が気ではなかったです。妊婦検診も勿論行かないわけにはいきませんでしたし。

(妊娠中の検診は週数により2週に一度や4週に一度、場合により週に一度など通院の必要があります)

きいちご---どうしても外出したり…お仕事の時はマスクもされたんですよね?

Aさん---はい。マスクもしていました。けれど中期ごろになるとちょっと歩くだけで息が上がってしまって、マスクをつけてると酸欠気味というか…本当にクラクラして歩けなくなってしまう様になったので、人と距離が取れている屋外ではマスクを外して歩く事もありました。

(妊婦の方は、胎児に酸素を送っている関係で普段の脈数が通常より早くなっています。個人差はありますが、Aさんの場合は普通に歩いているだけなのに、夫のBさんが軽く運動するよりも早い脈拍で過ごしていたそうです。

この頃、Twitterをはじめとしたネットでも「妊婦のマスクは酸欠の危険があるので、密になっていない時はマスクを取っていても許してほしい」といった話が話題になりました)

 

そうしてどうにか出産間近まで過ごしたAさんは、出産のための入院準備に入ります。

(ここから先、Aさんが行かれた某病院のお話をしますが、あくまでもAさんの行かれた病院の一例であり、他の病院や状況により取り組みは様々と思いますこれが全てではなく、あくまでも一例である事をご理解ください)

 

きいちご---Aさんが今回出産された病院は、上のお子様と同じ病院だったんですよね?

Aさん---はい。数年前に出産した時と同じ病院でした。自分のカルテがある事や、1人目の時に安心して産めたので、同じ病院を選びました。

きいちご---病院のシステムは以前と変わっていましたか?

Aさん---大まかな予約や診察、入院などのシステムは変わっていませんでしたが、コロナが理由で新しいルールはたくさん追加されていました。

病院に予約を入れると「予約された日の2週間前は、どこの病院にもかからないで下さい。もし病院にかかられた場合は予約日の変更をお願いする場合があります」と言われました。勿論お腹の子に何もなければ妊婦検診は2週間後なので問題ありませんが、お腹の痛みや出血があったら行かないわけには行きません。その時はどうすればいいのかは確認しました。

きいちご---病院は何て?

Aさん---どうしても必要な場合は仕方ないけれど、その場合は病院に来た際に、いつ・どこの・どの病院に行ったか…を伝える様に言われました。

きいちご---絶対にダメというわけでは無かったんですね。

Aさん---はい。でも極力、2週間未満は来ないで欲しいというのは伝わりました。

きいちご---病院に行ってからはどうでしたか?

Aさん---病院に入ったらまず手にアルコール消毒と、体温を測るサーモグラフィー?の様なものが立ってました。一度、37.5以上と出たみたいで呼び止められましたが、少し離れた所で脇で測る体温計で測り直して、問題がない事を確認されてから院内に入る事ができました。

きいちご---しっかりと水際対策されてるんですね。

Aさん---はい。そう感じました。待合室でも皆さん何となく椅子を一つ飛ばしたり、スペースを空けて気をつけている感じはしました。

きいちご---検診はいかがでしたか?

Aさん---マスクはつけていましたが、診察などは基本的に変わりありませんでした。

ただ、入院直前になると院内でしている『PCR検査』をする様に言われました。出産した病院では、入院の予定がある人はみんな必須になっている様です。結果は後日でしたが、陰性でした。

 

検診を経て、Aさんは出産のため入院となりました。

 

きいちご---入院について教えてください。

Aさん---入院中はほとんどずっとマスクをつける事になっていました。自分のベッドのカーテン内は外す事もありましたが、ベッドから出たら同室内でもマスクをしていました。

きいちご---その他以前と違うことはありましたか?

Aさん---いくつかありました。以前は食事時間は食堂で好きな席に座って食べられたのですが、コロナの関係でベッドでの飲食となっていました。なので、同じ日や近い日に出産したママさんと話す事は全く無くなってしまいました。上の子の時はそこで仲良くなったママさんもいたので…。

きいちご---それは少し寂しいですね。

Aさん---はい。後は…面会が一切禁止でした。一応、体調など必要があって医師から要請があった時は例外的に許可されるそうですが、それ以外は基本禁止で、必要な着替えなどは全て持ってくる様に言われました。

きいちご---結構な荷物ですよね。

Aさん---はい(笑)。ただ、一応荷物や書類の受け渡しを看護師さんが仲介するという形で許されていたので、実際は会えないだけで荷物の受け渡しはできました。でもやっぱり会えないというのはしんどかったです。上の子は入院中からたくさん夫や両親義両親に抱っこされていたのに、下の子はそれもないし、私も家族が面会に来ている時間休めたけれどそれもない。何より上の子が気になりましたし孤独感は多少感じました。

きいちご---出産自体はどうでしたか?

Aさん---出産も、分娩台に移動する前からずっとマスクをつけていました。そこまで苦しくは感じませんでしたが…ただ、私は陣痛が強くなる頃に胎児が少ししんどそうという事で酸素マスクをつけられたので、その時にマスクは外しました。最後までマスクをつけていたらどうだったかはわかりません。

ただ、先生も看護師さんもどなたかはいらっしゃるので、分娩中はコロナについてそこまで気にしていなかったです。それより陣痛の痛みと早く産まれて!と思っていました(笑)

きいちご---入院中に、特別に手厚い…というか、面会などない事へのフォローは何かありましたか?

Aさん---特に特別な事はありませんでした。ただ、1日に何度かある体温や血圧を確認する際に、看護師さんが患者さん全員に少しずつ時間を割いてささやかな雑談の時間をとっている感じはしました。

きいちご---病院として気にされている感じはあったんですね。

Aさん---はい。そういうのもあったので入院している事にはそんなに不安はなかったです。退院する時の方がソワソワしました。

きいちご---というと?

Aさん---退院する頃、またコロナ感染者が増え始めていたので退院して大丈夫かな?と思いましたし、何より帰るのにタクシーか電車を使わないと帰れません。私はマスクをできますが、赤ちゃんはマスクを着けられないのでそれが不安でした。

きいちご---なるほど。家に帰るまで、ですね。

Aさん---勿論、そんな事言い出したら帰ってからも夫も仕事があって上の子も保育園に行ってるので、リスクは家にいてもあるんですけどね。でも気にならないと言ったら嘘になります。

きいちご---出産自体がとても大きな出来事なのに、家に帰っても不安が続いてしまうのはストレスですよね。

Aさん---でも家に帰ってからは、夫や上の子とも顔を合わせて話せましたし好きなものも食べられる様になったので、やっぱり退院できてよかったなーとは思います。テレビも好きに見れますし…ニュースでコロナの話をしてる時は少し不安はありますが、全く知らないというのも怖いので。

きいちご---その他にコロナに関連して不安だった事などありましたか?

Aさん---不安というか…世間では「コロナなのに子どもを作ったんだから自業自得」という話が出ている事を妊娠中に知って、もし困った事があってもそう思われるのかな、と心配にはなりました。でも私はコロナが話題になるかならないかの頃に妊娠がわかりましたし、友達で年齢的にもう一年も待てない、という子もいましたし…私自身もコロナが日本に来たと知ってからでも、やっぱり上の子や自分の年齢との折り合いで待てなかったと思います。心配は心配ですけど、子どもが欲しい気持ちに対して身体にはタイムリミットがあるので…。

そういう事を分かって欲しいというか、コロナ禍の中妊娠するなんてって言われるのは辛いと思いました。

きいちご---そうですよね。不妊治療も一時的に推奨しない話はありましたが、人によってはこの一年、数ヶ月待てるかと言われたら必ずしも…というところはありますよね。

Aさん---出産した後の頃には随分そうした声も減ったのかなとは感じます。でもやっぱり少しソワソワしますね。そう思ってる人も多分いるんだろうなって思うので。

きいちご---お話ありがとうございました。

 

Aさんは無事に出産を終えて退院され、今はお家でご家族とゆっくりされているそうです。

今回Aさんの経験をまとめる事で、入院どうなるの?と不安を感じている出産予定、入院予定の方に少しでも情報をお伝えできたらと考えました。

これはあくまでAさんの一例であり、病院ごとに対応は違うと思います。今できる対応という意味では、今後の病院の対応もまた変わっていくかもしれません。

出産自体がとても大きな出来事で不安を感じる方も多いと思います。そこにコロナ禍という別の不安が増える中、少しでもお役に立てると嬉しく思います。(Aさん、今回ご協力ありがとうございました!)

 

今年のきいちごブログの更新は今日でおしまいですが、来年も引き続き月一更新を目指しますので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様良いお年を!!