きいちご日誌

チームきいちごのメンバーによるブログです

おもちゃや服の「男の子女の子」

こんにちは。チームきいちごです。

今年初めの投稿ですので、時期としては遅いですが新年明けましておめでとうございます。本年もチームきいちごをよろしくお願いします

雪が積もる地域がニュースになる季節になりましたね(コタツ大好き…)コロナ禍で初詣はお家からという方もいらっしゃったかと思います。

 

例年だと年末年始はクリスマスプレゼントから始まりお年玉…と、お子さんのいるご家庭や親戚にお子さんのいる方は何かと出費の多い季節。今季は郵送という方もいたのではないでしょうか。

そんなプレゼントの定番におもちゃはランクインするかと思いますが、おもちゃ売り場に行くと多くは「男の子用おもちゃ」「女の子用おもちゃ」と表示されています。見た事ありますでしょうか?

今回はその表示の話を取り上げます。

 

「男の子用」「女の子用」と売り場を分けるお店は実際多いと思います。大手家電店のおもちゃ売り場や、子ども服売り場…こうした子どもグッズの売り場では多く見かけると思います。

例えばおもちゃ売り場なら、男の子用女の子用とあると大体想像されるものは皆さん同じかと思います。

男の子用…ヒーロー系のキャラおもちゃ、乗り物、プラモデル

女の子用…お人形、着せ替え、お絵かき、おままごと

…だいたいこんな感じでしょうか。

これ、おもちゃを探そうと思った時便利ですよね。とりあえずプラモデルを探すなら男の子用の方に行けばいいかな…とかなります。実際私もそうやって探す事は多いです。

でも、今のご時世としてはこんな分け方、もうナンセンスだな、と感じる方も多いのではないでしょうか。

女の子だってヒーロー系のおもちゃで遊ぶしプラモデルも作る子はいる事も、男の子だって人形が好きだったりおままごとが好きな子がいる事を、今の人は多く知っています。これは本当に近年の性教育の成果だと感じますが、性差で必ずしも遊ぶ物が変わるわけではないという事を最近の人は認識している事が多いです。

でも、今も「男の子用」「女の子用」と書くお店は存在します

服も同じ事が言えます。やっぱり「男の子用」「女の子用」と分かれていて、カラーリングやデザインに差がありますよね。

男の子用…ダークカラー、原色系、乗り物の絵、動物はクマやライオン、シマシマやドットなどの図形や静かな柄

女の子用パステルカラー、動物はネコやウサギ、花や草のボタニカル柄、リボンやフリルなどの装飾付き

…こちらもやっぱり、男の子でもピンクを着たっていいし女の子が乗り物の絵の服を着たっていい。また、男の子用でも女の子が着てもいいよね、と感じる人は多いかと思います。それでもやっぱりこの分け方なんです。

 

ではこの「男の子用」「女の子用」何か問題なんでしょうか。

探す時、先に書いた様なイメージで探せるから探しやすいし問題ない、という方もいると思います。実際今、探す時にこの分け方でもの凄く困ってる方は少ないと思います。

でも…遊びや服は性差で必ずしも変わるわけではありません。男の子用に陳列されているおもちゃが男の子用ではない事はもう分かっている事です。それでも男の子用女の子用って言い続けるのは、本当に問題無いのでしょうか?

まず根本的な事の一つとしてこれらを表示しているお店の意図は「探す」ための表示です。探しやすければいい…と言うのであれば、そもそも◯◯用ではなく普通に「キャラクターおもちゃ」「プラモデル」「人形」「なりきりおもちゃ」等と書けば良いと思います。また実際そうした表示になっているお店も存在します。逆に「男の子用」「女の子用」と表示を出しているお店は、それとは別に「キャラクターおもちゃ」などの表示もしていて、結果的に二重表示状態になっているところもあります。

服についても、子ども服を買う時に欲しい情報とまとまっていると助かる情報といえば、まずサイズです。そして飾りのある無し。飾りは、保育園や幼稚園、小学生によっては禁止されている事もあるからです。色についてはお子さんに合う色を探される事が多いと思います。女の子でもシックな色が好きな子や、男の子でもピンクが似合う子の親御さんは、今でも「男の子用」と「女の子用」を行ったり来たりしているのでいっそカラーでまとめてもらった方が楽かもしれません…(実際の経験と漏れ聞こえた愚痴をまとめた結果です…男の子にくすんだピンクを探すけれど女の子用にがっつりされてしまうと飾りがついちゃうなんて事も…これはまた別のお話…)

服はユニセックスな物もだいぶ増えてきましたよね。そうした意味でも性別で分けるのは売り場の人も「どっち…?」となるかもしれませんね。

となると、探すだけならば今の「男の子用」「女の子用」じゃなきゃ絶対に困る!という事もまた少なそうです。

ちなみに「友達の子どもに何かプレゼントあげよう!男の子だから男の子用おもちゃを!」…は、割と危険なのでお勧めしません。というのも、例えばですが…私の友人Aの子ども(男の子)は車が大好きです。もう乗り物の絵本とミニカーに囲まれて楽しんでいます。ですが友人Bの子ども(こちらも男の子で同い年)は車には一切興味無し!好きなのは動物全般でパンダがお気に入りです。子どもによって好みががっつり違うのが怖い所…もし自分のお子さんではない子にプレゼントをあげる時は親御さんにお伺いしてみてください(サプライズをしたい場合は、相手のことをいくらか知ってからをお勧めします)

 

さて「探す」という点については以上でとりあえず表示を変えてももの凄く困る…とはならなそうな雰囲気がします。逆をいうと、今のままでも「探す」事はできます。どうしても表示を変えたくないという場合「探す」行為としては変えなくても問題ないのでは?という気もしますね。

では、その他に何か問題があるのでしょうか。

…お気づきだと思いますが、問題はあります(無ければ取り上げないでしょ!と言わず、お付き合いください)

今までお話した中にもたくさん散りばめられていた、性別による「イメージ」…これが、問題なのです。勿論イメージ丸ごと全部が問題ではないですし、性別によるイメージが一切合切無いのもそれはそれで困る所はあるかと思います。

服のカラーや飾りなどについては、多少の性別によるイメージがあるのはやっぱり好みの面で多数派に寄せる事で発生するのは致し方ない所もあるかと思います。先ほどの話では服の色や柄しか取り上げませんでしたが、下着は性別によってどうしても変わります。また少し年齢のいったお子さんなら異性に下着を(売り場とはいえ)見られたくないと思う子もいるでしょう。そうしたプライベートゾーンを守るための物についてナイーブになるのは当然だと思いますし、それを守るために性別で売り場を分ける事は、逆に必要性も感じます(これはまた別の問題として、何に重きを置くかという事項になります)

ではおもちゃ売り場はどうでしょう。おもちゃは服と違って「必ず持たなければいけない物」ではありません。勿論娯楽は大人も子どもも大切です。子どもに関しては遊びから学ぶ事もたくさんありますから、遊びの道具程度…なんて言えません。親御さんによってはそれこそ素材から遊び方まで、調べてこだわる方もいます。ただ、服の様に絶対無いと困る物とは少し違う事も事実です。

これは服にも少し言える事ですが、まず性別で分けて表示をする事により、その表示に引っ張られてしまうという事があります。◯◯用と書いてはあるけど使っても良いと言われても、その文字の力が強く、自分は男の子(女の子)だし…と思ってしまう事があります。また大人も同じように、これは◯◯用だから、と選んでしまう事があります。

たかが表示、と思うかもしれませんが、毎回買い物に来た時に見ていると、言い聞かせられているのと同じように作用していきます。耳で聞くのと目で見るのは、情報を自分の中に入れているという点では情報の収集方法が違うだけです。いつの間にかそう思い込まされている…のに近い状態になっているかもしれません。

また、現在の「男の子用」「女の子用」という分け方には、性別による役割の決めつけも発生してしまう危うさがあります。

例えば女の子用のおもちゃ売り場には概ね「おままごと」があります。全く気にならない方は気にならないかもしれませんが…なぜ「おままごと」って女の子用おもちゃの分類なのでしょう。…理由は簡単ですよね。お料理は「お母さん」の仕事だからです。今は「料理は男女関係なく作る。独身の人だっているんだから。お母さんどころか女性だけの事じゃない」と言う方は本当に増えました。でもほんの少し前までは、料理はお母さんという構図こそが多数派でした。そしてその名残りが「おままごと」は「女の子用おもちゃ」なんです。

「おままごと」はわかりやすいので例として取り上げましたが、その他にもそうした事はたくさんあります。「男の子用おもちゃ」の「プラモデル」も、お父さんが必ずしもDIY好きでは無いですよね。ほんの少し前の「家の壊れた所を直すのはお父さん」も、今は「専門家をネットで探そう、家族でやれそうなら家族で楽しくやろう」に変化してきています。

 

こうした性別で分ける事の根本問題は、今変わりつつあります。だから「おもちゃ売り場くらい気にしない」という方もいるかもしれませんが、気をつけたいのはあくまでも「変わりつつある」過渡期であるという事です。

今でも「男の子なのに家の中で遊ぶなんて…男の子は元気に外で遊びなさい」という人や「女の子なのに戦隊ヒーローが好きなんて変わってる」という人は存在します。過渡期というのは、場合によっては簡単に戻ってしまえる状態でもあるのです。

日本はまだまだ性別によって不当に様々な事を振り分ける事があります。それは大人子ども関係なく存在します。もし、その不当な振り分けが無くなり、そうした事が「おかしい事」と日本中が認識できたのなら、逆に「男の子用」でも「女の子用」でも良いのかもしれません。そこに何の押し付けも無いのであれば、問題はないのかもしれません(でもそうなったら、なぜ男の子用女の子用と言うの?となるかもしれませんね)

 

例えば学校で「赤青鉛筆」を使うから買って、と子どもに言われたとします。

お店に行って「赤青鉛筆」を探していると仮定します。その時「文房具」の表示を探すのに、まず「男の子用」「女の子用」と書いてあったら…そのどちらかにだけあったら、不思議な気持ちになりませんか?…実はそういう気持ちの事でもあります。そうした不思議かも?という気持ち、気にならないかも?という気持ちを一度考えてみませんか?また自分はこう思うけど他の人は何故違うの?という事…そこから変わる事があると思います。

 

ちなみに私はセーラー◯ーンもスーパー◯リオもミニ四駆も好きな子どもでした!