「らしさ」という魔法
こんにちは!チームきいちごです。
今回は「らしさ」。…言われた事、多分ほとんどの人が一度はあるのではないでしょうか。
それも「貴方らしさ」とか「女らしさ」「男らしさ」とか…色々ならしさ。直接言われなくても、本で読んだりテレビで聞いたり…自分というか自分の属しているモノに向かって呼びかけられる事もあったりするかな。
ちょっと回りくどい言い方ですが、自分を表すのには色んな言い方があります。
例えば私の場合…
女性、昭和生まれ、卒業学校の名前、住んでる地区、趣味、仕事…などなど
一つでは「私」とわからなくても、全て「私」を構成するモノで「私」が属しているモノです。
そしてこの全てに「らしさ」をつける事ができたりします。
「女性らしさ」「昭和生まれらしさ」「◯◯学校卒業生らしさ」「◯◯市区町村在住らしさ」…といった具合。
勿論「私らしさ」もあります。
「私らしさ」って、素敵な言葉ですよね。
誰かじゃない私。私が私であるからこそ生まれる「私らしさ」。
でも「私らしさ」って何なんだろう?思春期の頃にはよくこの迷路に迷い込む事も。私であるだけで「私らしい」のに、でも人に流されてる事もあったり、嫌な事や興味ない事をはっきり言えなかったり…それも「私らしさ」なの?我慢してる私って「私らしい」?それともこの我慢が無くなったら本当の「私らしい」私なの?
ある意味では、自己肯定感なのかもしれません。自分が自分をどれだけ肯定できるのか、しているのか。それによっても「私らしさ」ってだいぶ意味が変わると思います。
…こう書くと、ヤバい!ややこしい!面倒くさい!!と思うかもしれませんが、一番初めの「私らしさ」と言われると、ちょっと親近感、ありませんか?(無くても何となくニュアンスを感じてもらえるととっても助かります…)
いい意味で「私らしさ」ってこれだ!とか、いい意味で「貴方らしいね!」と言われると気分が上がる魔法の言葉。
ですが、この「らしさ」…使い方や捉え方が違うと、魔法は魔法でも「呪い」になってしまう事があります。
分かりやすい例でいくと、雑誌とかの「モテる女の子らしいコーデ!」とか「これで◯◯らしく!」とかの文字。最近のネットでは随分このあたりの文脈を使うともれなく炎上!なんて事も増えたかもしれませんが、実は割と日常にも潜んでいます。
「女の子なのにそんな格好して…もっと女の子らしくしなさい」
…なんて子どもの頃言われた事のある人、たくさんいるのではないでしょうか。
先日話題になった
「母親なら手作りくらいしたらどうだ」
も文脈が違うだけで、要は「母親らしさ」の押し付けになっています。
また
「こんな事するのは貴方らしくない。もっとしっかりしなさい」
と叱る人も実は多かったりします。
「らしさ」という言葉が、誰かの考える何かを押し付けたり、言う事を聞かせるための言葉になってしまうのです。
「私」を表す様々な属性は、本来悪いものでは決してありません。ですが言い方の違いだけで、それが「呪い」になって「私」をがんじがらめにしてしまう事があります。
人によっては、いい意味で「これ貴方らしくていいね!」と言われたけど、私らしく思わない…と悩む人もいるかもしれないですね。
「らしさ」が自分を責めてしまう状態や、相手に責められる言葉になった時…また言う事で誰かの考えるソレを押し付けられたり決められてしまう時、その魔法はとても素敵とは言えません。
貴方自身が、ほんの少しでも「これって自分らしい。好きだな」と思た時、らしさってとても素敵な魔法になると思います。
貴方以外の人が、少しでも主観的に「貴方らしい」と言うと、それは時に「呪い」になってしまう事もあります。
「私らしいって何だろう?」と考えることは、そんなに悪い事じゃありません。むしろ思春期の頃に迷路に入って、大人になってもまだまだその迷路の中にいたりする人は少なくないです。
良い悪いと簡単には言えませんが、例えば忘れ物が多い…なんて事。忘れ物が多い事自体は正直そんなに良い事ではないですが、でも「忘れ物をしてしまう自分」を理解して、もし忘れ物をしない様に頑張っているなら、それは「問題を頑張って解決しようとしてる私、という私らしさ」と思うのは良いのではないでしょうか。ちなみに私は書類の整理がとても苦手です…。
できたら「らしさ」という言葉が、素敵な魔法として使われてくれたら嬉しいと思います。